RS plus 開発コンセプト
実を言うと
基準車高をもう少し高めに設定するのであれば
スプリングレートをもう少し下げて
さらにしなやかなサスペンションを作ることも可能でした。
しかしロードスターという車は
多くのオーナーが車高を低めにセットします。
合言葉は「車検ギリでお願いします」
デモカーもそうです。
純正より大幅に少ないストロークで
綺麗に荷重や衝撃を吸収する必要があります。
そこでRS plusでは
低めの車高でも動きが破綻しない様に高レート設定としました。
ある意味、
理想と現実のせめぎ合いの中で生まれたサスペンションです。

ロードスターの脚は難しい
NDロードスターの脚は
少し間違えると途端に気持ち良さが無くなります。
全部がバラバラに動いてる様な動きになったり
フラフラしたり、ドタバタしたり
6年前です、
オリジナル車高調作ろうなんて簡単に考えていました。
実際に始めてみると、
マジで後悔しました。
「なんちゅー難しい車に手を出してしまったんだ・・・」
全部の動きが見事にバラバラで
スットンバッタンしてました。
でも、もうデモカーとして車も買ったし。
ロードスターやるって決めたし。
納得できるまでやってみるしかない。
ならば、どんなのが合うのだろう?
スプリングは
銘柄・長さ・レートも変えて
何種類も試しました。
前後のレート比も色々テストしました。
特にリアサスが上手く纏まらず
アシストスプリングを入れてみたり
リアスタビも付けたり外したり
アシストスプリングも
種類・レート・プリロード量
色々試しました。
車高の前後バランスも
5mm刻みで変えてみました。
何とか形にして販売開始しましたが
発売後もずっと試行錯誤と
仕様変更を重ねてきました。
今回サスペンションを
RS plusにモデルチェンジするにあたり
低さも
乗り心地も
走りも
全部犠牲にしたくない
と、少し厳しいハードルを設けましたが
今までの試行錯誤が功を奏して
思ったよりはスムーズに
合格点を出す事ができました。
お陰様で発売以来
メーカー・ディーラーの社員様や
他社車高調をお使いでお買い換えのお客様にも
大変好評を頂いております。
もしロードスターの脚で悩まれているなら
一度デモカーに乗ってみてください。
多くのお客様が
「こんな脚が欲しかった」と言われます。
スプリング主体のサスペンション
RS plusは
スプリングの仕事を最大限活かすことを目的に開発しました。
多くの車高調はダンパーで動きを抑える設計ですが
RS plusはスプリングで荷重を受ける設計です。
NDロードスターのサスペンションを
リニューアルするにあたり、
いくつかの課題を設定しました。
一般的な車高調の弱点
市販されている多くの車高調は、
乗り心地とストロークを確保するために柔らかいスプリングを使用しています。
しかし柔らかいスプリングでは挙動変化が大きくなるため
ダンパーの縮み側減衰を強めに設定し、
ダンパーを少し突っ張らせて余分な動きを抑える設計が多く見られます。
この状態で車高を下げ、最低地上高9cm程度で一般道を走行すると
- 下回りを頻繁に擦る
- 擦るのでダンパーを締めると突っ張る
- 抑えが効かずポヨンポヨンした動きになる
という状態になりやすく、
結果として乗り心地も操縦性も悪くなってしまいます。
弊社では、衝撃や荷重を受け止める役割はダンパーではなくスプリングが担うべきだと考えました。
またロールを抑える役割も
スタビライザーではなく主にスプリングが担うべきだと考えています。
スプリング主体の設計
この問題を解決するため
- 高レートスプリングを採用
- 縮み側減衰は低め
- 伸び側減衰はしっかり確保
という設計としました。
これにより
- スプリングの動きを邪魔しない
- 揺り戻しを抑える
- ギャップ通過後の収まりが良い
という動きになります。
ロールもスプリングがしっかり受けるため、
純正よりロール量も少なくなります。
国際サーキットでのハードブレーキング
ハイグリップタイヤを履きロードスターRFで富士スピードウェイを走った際
想像以上にストレートスピードが伸びました。
標準的なレートでスプリングをセットしていた為、
ストレートエンドのハードブレーキングでバンプタッチしてしまい
ブレーキがロック、制動距離が伸びる問題が発生しました。
RS plusがハイレートを採用している理由の1つです。
NDロードスターらしい動き
NDロードスターは
「気持ちよく楽しく乗る車」だと考えています。
ボディ剛性や車のキャラクターを考えると
ゲインの高いピョコピョコした動きは似合いません。
そこで採用したのが
サスペンションプラス製 UC-01スプリングです。
- 路面追従性が良い
- 動き出しが穏やか
- 高レートでも乗り心地を確保
長めのスプリング長を採用することで
しなやかな動きを実現しています。
サーキット走行に慣れてレスポンスが欲しくなった場合は
同レートでスプリング長を短いものに変更することで
よりクイックな動きにすることも可能です。
トラクション確保のための専用アシストスプリング
高レートスプリング採用の弱点は
伸び側ストロークが少なくなることです。
特に機械式LSD未装着車では
コーナー出口で内側タイヤの空転が起きやすくなります。
市販の低レートアシストスプリングでは
- 高減衰ダンパーを瞬時に十分に伸ばせない
- 作動域での急激なレート変化
- メインスプリングにもプリロードが掛かる
- フロントとの動きがちぐはぐになる
という問題がありました。
そこで
専用アシストスプリングを開発しました。
- レート:8.5kg
- 作動長:16mm
- プリロード無しで使用
- 1Gで線間密着(線間密着荷重137kg)
これにより
- 駆動輪の伸び側ストロークを確保
- トラクション向上
- 自然なサスペンション動作
を実現しています。
また、副産物として乗り心地が大幅に向上しました。
スタビライザーについて
RS plusでは
スタビライザー交換を推奨していません。
ロールをスプリングで受ける設計のため
コーナリング中内側のタイヤを持ち上げる反作用の有る
スタビライザーに頼る必要がないからです。
また社外スタビリンクは
- シールの早期劣化
- 調整部の緩み
- 異音
などのトラブルが多いため
基本的に純正の使用を推奨しています。
RS plusの思想
RS plusは
スプリング主体のサスペンション
です。
ダンパーで抑え込むのではなく
スプリングの仕事を邪魔しない設計としています。
軽快なロードスターだからこそ
スプリングの動きを活かすことが重要だと考えています。
その結果、
レートの数値ほど硬さを感じない自然な乗り味になります。
それがRS plus の基本思想です。